近く100周年を迎えられるという地域のお医者さん。
長年での増改築で、動線が長く複雑になっていた。
ここでは旧中庭のスペースに着目。
年代の異なる建物に3面を囲まれた広さ10畳ほどの中庭。
そこへ新たに道路からのアプローチをとり、住宅の玄関を作った。
医院、事務、応接、住宅、の各エリアへのアクセスは短くシンプルに、かつ連携が良くなった。
所在地/愛知県北設楽郡設楽町
竣工/2014年8月
設計監理/高橋泰樹設計室
施工/稲武製材株式会社
月新堂医院改修工事を終えて
私は、月新堂医院3代目ですが、父の代に医院の新築をした際、残念ながら医院の患者さんが使用するトイレ部分とレントゲン室、応接間部分だけが前のまま残って、トイレが汲み取り方式のままになっておりました。
3~4年前に導入したレントゲン撮影のデジタル化によって、1畳半程のレントゲンフィルムの現像室が不要になったのを機会に、高橋泰樹設計室に依頼して医院トイレ(男女兼用と男子専用)、レントゲン室及び操作盤、自宅玄関と応接間及び書斎、これらをまとめて設計して頂きました。
3月中旬から始めて工事が終了しましたのは8月末でしたが、医院については、レントゲン室のドアを幅広くした結果、待合室から車いすで真っ直ぐにレントゲン室に患者さんを入れる事も可能となる一方で、トイレに通ずる廊下部分のスペースが広がり、レントゲンの操作盤の前に立っても広々としたスペースを確保出来るようになりました。
トイレに関しては、汲み取り方式の狭いトイレが1つだったのが、現像室を改修する事によって、男女兼用の広いトイレだけでなく、男性専用のトイレまで作る事が出来ました。
門扉からエントランス、玄関に至る部分は、とても気に入っております。
今までは、西向きに道路に面して狭い玄関がありましたが、東向きの物入れを潰して、中庭の部分を活用して、東向きにエントランスと玄関を作って貰いました。
東向きの玄関ですので、朝日が当たり午前中はスリガラスを通して暖かな日差しが射しております。
長い工事期間でしたが、今回の医院改修及び玄関・応接室・書斎の改修工事の結果には100%満足しております。どうもありがとうございました。
月新堂医院 院長 伊藤幸義